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一元論理代数方程式

1変数の論理関数$ f(x)$は展開定理(資料3)により、つぎのように展開される。


$\displaystyle f(x)$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sim xf(0) \lor xf(1)$  
  $\displaystyle =$ $\displaystyle f(0) \sim x \lor f(1) x$ (1)

式(1)は加法標準形でもあるので、定義域の$ x$が自由に変化したと きに値域の真理値$ f(x)$がそれに対応して変化する論理関数の一般形式を表している ことになる。

$ f(x)$の真理値を0か1に固定して、そのようになる条件$ x$を求めることにすれ ば、論理代数方程式となる。

ここでは、数学の世界の$ f(x)=0$と違って$ f(x)=1$を考えることにする。これは $ f(x)$が真である(成立する)ための条件$ x$を求めるからである。

そこで式(1)から一元論理代数方程式の一般形を次のように考えることする。

$\displaystyle f(0) \sim x \lor f(1) x = 1$ (2)

この式(2)を一元論理代数方程式として解くことにする。

最初に式(2)を次のように略記する。

$\displaystyle f_0 \sim x \lor f_1 x = 1$ (3)

これを$ x$について、解くとつぎのようになる。

$\displaystyle f_0 \sim x \lor f_1 x$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \{(\sim x \leftrightarrow f_0) \lor (x \leftrightarrow f_1)\}(f_0 \lor f_1)$ (4)
  $\displaystyle =$ $\displaystyle \{(x \leftrightarrow \sim f_0) \lor (x \leftrightarrow f_1)\}(f_0 \lor f_1)$ (5)

この式(5)を一元論理代数方程式の一般解とする。

方程式の解に使われた新しい論理記号 $ \leftrightarrow$は、 下に示すように同値であることを表す。 $ x \leftrightarrow y$は同値命題 と呼ばれ、「$ x$$ y$が同値である(Equivalent)」と読む。 ここでは、数学の等号$ x = y$と同じように考えて、「$ x$$ y$が同じである」と 言ってもよい。


$\displaystyle 0 \leftrightarrow 0$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 1$ (6)
$\displaystyle 0 \leftrightarrow 1$ $\displaystyle =$ 0 (7)
$\displaystyle 1 \leftrightarrow 0$ $\displaystyle =$ 0 (8)
$\displaystyle 1 \leftrightarrow 1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle 1$ (9)
       
$\displaystyle x \leftrightarrow 0$ $\displaystyle =$ $\displaystyle \sim x$ (10)
$\displaystyle x \leftrightarrow 1$ $\displaystyle =$ $\displaystyle x$ (11)

論理記号は1年次の教科書「コンピュータ概論」の「論理」(p.202 $ \sim$ p.204)を参照すること。

一元論理代数方程式の詳細については3年次の教科書「コンピュータ・システム」「一元論理代数方程式」(p.109)を参照すること。


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MANOME Yoichi 平成17年7月6日